紙ヒコーキと心中。

彼女と私は、限りなく似ていて。
けれども。彼女と、私は、違う存在で。
相容れないと解っているのに、同じであると思い込む。
それは私で、彼女は知らない。

いつも、
いつも、そうだった。
あたしはいるのに、何処かにもうひとりのあたしがいて。
それはあたしを見て、嘲笑っている。
なんて態とらしいの。
何がしたいの？何を目指しているの？
静かな聲がする。
見えないところで、あたしを嗤う。

嘲笑うあたしは、妙に冷めていて。
不思議なくらい、物事を冷静に見ていて。
それをあたしは、同じように見ている。
いつからいたか、なんて分からない。
気付いたら、そこにいた。意識していた。もうひとりの自分。


いない筈の、存在を。